ビビりでも見られるホラー映画が知りたい!
「ホラー映画、興味はあるけど怖そうで見られないんだよな……」
「映画はよく見るけどホラーはちょっと……」
そんな方も多いのではないでしょうか?
この記事では、2022年は映画を100本ほど見た僕が、怖いのが苦手な方でも楽しめる、ちょうどいい怖さのホラー映画を17本ご紹介します!
こんな映画を選んでみた
- びっくり・脅かしが少ない映画
- 見た目が怖すぎる幽霊・モンスターはなし
- 怖いだけじゃない、ホラー×別ジャンルの映画
- ぶっ飛びすぎてむしろ笑えてくる映画
怖いのが苦手な方でもなるべく楽しく見られるように、上記の条件で作品をピックアップしました!
それでも不安な方のために、注意すべきポイントはオレンジの太字で書いておきますね。
この記事の目標
ビビりだけどホラー映画を見てみたい人に、ギリギリ夢に出ないちょうどいい怖さの映画を見つけてもらう!
それでは紹介していきましょう!
それほど怖くない初心者向けホラー映画【洋画編】
誕生日に殺されまくる、ループ系コメディホラー【ハッピー・デス・デイ】
女子大生のツリーはいつも通り見知らぬ男子学生のベッドで朝を迎える。
今日は誕生日。ツリーは誕生日パーティのため夜道を歩いていると、ベビーマスクの謎の人物に殺害されてしまう。
気付くと、ツリーはまた誕生日の朝に戻っていた。
ループから脱出するために試行錯誤するも毎回殺されてしまうツリー。
ベビーマスクは誰なのか?そして、ツリーはループから抜け出すことができるのか?
本作の魅力は、ツリーの主人公とは思えないほどの清々しいクズっぷり。
見知らぬ男の部屋で目覚め、父の誕生日パーティをバックれ、友達の誕生日ケーキを捨て、教授と不倫……。
とにかくやりたい放題ですが、何が起こってもブレない、パワフルな彼女のおかげで映画の怖さが半減されます。
ツリーは強気でベビーマスクにどんどん立ち向かっていきますし、全体的にコメディタッチで描かれていて、怖いのが苦手な方でも絶対に楽しめますよ!
本作が気に入った方は、さらにSF要素が加わった、続編の『ハッピー・デス・デイ 2U』もおすすめです!
『ハッピー・デス・デイ』の配信サブスクamazon prime video
U-NEXT
dTV
冴えないJKと殺人鬼おじさん、入れ替わる【ザ・スイッチ】
冴えない女子高生のミリー。家でも学校でも居場所がなく、友達と言えるのは黒人のナイラとゲイのジョシュだけ。
ある日、ミリーは連続殺人鬼のブッチャーに殺害されてしまう。
目を覚ますと、ミリーはブッチャーと入れ替わってしまっていた!
24時間以内に元に戻れなければ、一生このまま……。
ミリーは無事に身体を取り戻すことができるのか?
本作の見どころは、入れ替わった2人のギャップ。
殺人を繰り返すワイルドな女子高生とキュートで弱気なおじさん。
こんなの絶対面白いですよね……!
グロテスクなのが苦手な方は少し注意が必要ですが、トイレやテニスラケットなど、いろいろなアイテムを使ったブッチャーによる面白キル集も魅力的です。
ブッチャーの姿になったミリーが友達にわかってもらおうと必死に踊る面白シーンや、本人の姿では難しいお母さんへの思いを伝えるちょっと良いシーンも。
『ハッピー・デス・デイ』が好きだった方はこちらも楽しめるのではないかと思います。
Netflix
羊から生まれてきたのは、禁忌だった。【LAMB / ラム】
広大な自然の中で暮らす羊飼いの夫婦のイングヴァルとマリア。
2人にはかつて子供を失った過去があり、マリアはまだ心の傷が癒えていないようだ。
ある日、羊の出産を手伝った2人は、「羊ではない何か」を取り出す。
はじめは不気味に思った2人だったが、徐々に愛着がわき、アダと名前を付けわが子のように育て始めるのであった。
本作の最大の魅力は、「頭と片腕が羊、体は人間」という異様な姿をしたアダの存在です。
実際、この作品には特に怖いシーンがあるわけではありません。
全編を通して、日常の風景に異様なものが紛れ込んでいる気持ち悪さが漂っています。
また、かつて子供を失った悲しみと母性から、徐々に正気を失っていくマリアも怖いポイントです。
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目の前に現れた、もう一人の自分の正体は?【アス】
幼い頃、アデレードは家族とサンタクルーズにある遊園地を訪れた。
アトラクションの中で、自分と全く同じ姿をした少女に出会ったアデレードは、ショックで失語症になってしまう。
時は流れ、成人して家族を持ったアデレード。
アデレードは家族とともに、再びサンタクルーズに行くことに。
宿で夫に過去のトラウマを打ち明けるアデレードであったが、その時、外に不審者が現れた。
手を繋いで立っている4人の男女は、なんと家族4人と全く同じ見た目をしていたのだ。
本作の魅力は、ただの怖い映画では片づけられないテーマ性です。
差別や格差といった問題に一石を投じる本作。
ハラハラドキドキの連続に緻密な伏線と、エンタメ作品としても高い評価を受けている作品です!
グロテスクなのが苦手な方は少しだけ注意が必要です!
彼女の家族、何かがおかしい【ゲット・アウト】
黒人のクリスは白人のローズと付き合っている。
ある日、クリスはローズの実家に挨拶に行くことになる。
交際は順調であったが、クリスには心配なことがあった。
それは、「自分が黒人である」ということ。
クリスは「彼氏が黒人だと知ると彼女の家族は嫌な思いをしないだろうか」と思いながら彼女の実家に向かう。
家に着くと、心配は無用だったと思うほどの歓迎ムード。
一安心するクリスであったが、異常なほどに黒人を褒め称える家族に少しずつ違和感を覚え始める。
本作の魅力は、少しずつ、確実に積みあがっていく違和感です。
些細な違和感が積みあがっていくことで生じる居心地の悪さが気持ち悪すぎます!
少しずつ積み上げた違和感が一気に解決する結末にはびっくりすること間違いなしです!
「黒人を異常なほどに持ち上げる」という少し変わった手法で差別問題に言及した個性的な作品です。
音を立てたら即死の世界で生きる家族の物語【クワイエット・プレイス】
メキシコに飛来した隕石と共に、それはやってきた。
その何かは目が見えない代わりに聴覚が発達しており、少しでも音を立てると襲い掛かってくる。
母・イヴリン、父・リー、長女・リーガン、長男・マーカスの4人家族は、音を立てたら即死の世界で協力しながら、力強くサバイバルしていく。
本作の魅力は、形式は王道パニックホラーでありながら、本質的には、家族の愛の物語である点です。
「モンスターの恐怖を描く」というよりは、「モンスターだらけの世界の中で協力して生き残っていく家族の絆と愛」が本作の重要なポイントです。
「感動的な人間ドラマと王道パニックホラーのいいとこどり」ができるため、怖いのが苦手な方でも楽しむことができます。
さらに、この映画を怖いのが苦手な方におすすめしたい理由がもう1つあります。
それは、主人公たちが音を立てなければ急に襲い掛かってくることがないということ。
この映画のモンスターは目が見えず、聴覚を頼りに獲物を探します。
襲い掛かってくる前に心の準備ができるので安心ですね。
本作を気に入った方は、続編の『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』もおすすめです!
1作目では守られる側だった子供たちの成長を見ることができますよ!
カリスマシェフの命を懸けたフルコース【ザ・メニュー】
あるカップル・タイラーとマーゴが、カリスマシェフが料理をふるまう孤島の超人気レストランを訪れた。
シェフ以外のスタッフは、日夜料理のことだけを考え、高い意識を持って共同生活しているらしい。
レストランに到着すると、カリスマシェフのジュリアン・スローヴィクが料理の説明を始める。
説明に感動して涙を流すタイラーとどこか冷めた様子のマーゴ。
マーゴは、軍隊のように統率の取れたスタッフと、奇妙なコンセプトの料理に不気味な違和感を覚えるのであった。
コースが進んでいくにつれて、徐々に何かが狂い始める……。
本作は狂ったシェフに翻弄される愚かな富裕層の人々を描いた作品です。
本作は、始めは小さな違和感がどんどん膨らんでいく気持ち悪さが魅力です。
パンに塗るソースやジャムだけが盛り付けられた料理、「母の首を絞める父の腿をハサミで刺した」というシェフの思い出話、セクハラを告発した後にシェフに刃物を突き立てる女性スタッフ……。
コースが進むにつれて増大していく不安と恐怖。
最後の料理が運ばれてくる時にはいったい何が起こるのでしょうか……?
この作品のテーマは、「与える者と奪う者」。
世の中には「お金を払っているのだから、客側の方が偉い」という考えの方が一定数います。
本作では、シェフがだんだんと客側を支配していくという逆転現象が起こっているわけです。
何もせずにただ与えられるだけの立場なのに、すべてがわかった気になって偉そうな批評を並べる。
彼らのような評論家は、「おいしい料理を楽しむ」という本質を見失ってしまっているのではないでしょうか。
この作品はそういった人々を嘲笑し、痛烈に批判しています。
いくつかグロテスクなシーンがあるため苦手な方は注意が必要です。
Disney+
心優しいコワモテおじさんと、すれ違いが巻き起こす惨劇【タッカーとデイル 史上最悪についてないヤツら】
超仲良しのコワモテおじさん・タッカーとデイルの2人は、深い森に古い別荘を手に入れた。
その日2人は、ボロボロの別荘をリフォームがてら休暇を過ごすため、森に向かっていた。
同じく、森にキャンプに向かう大学生グループ。
その森には殺人鬼が潜んでいるという噂があるようだ。
その夜、タッカーとデイルは、湖で遊んでいたら溺れてしまった大学生グループの1人・アリソンを救助する。
しかし、それを見た大学生たちは友人が殺人鬼にさらわれたと勘違いしてしまう……。
本作の魅力は、加速していく勘違いと、アリソンを助けようとしてピタゴラスイッチさながら自爆していく大学生たちです。
一応ホラー映画らしいのですが、全く怖いところはなく、むしろ1時間半笑いっぱなしでした!
タッカーとデイルは、本当にただの優しいおじさん2人組なんです。
でも、その見た目と多くの偶然のせいで、大学生グループからしたらどう見ても殺人鬼です。
そして、アリソンを助けに向かう大学生たちは、不幸なことに、次々とピタゴラスイッチのように死んでいきます。
木に貫かれる、ウッドチッパー(木を粉砕する機械)に巻き込まれるなど、不謹慎ながら笑ってしまうような死に方ばかりです。
全編を通してコメディ調で描かれており怖いシーンは全くないのですが、大学生たちの死亡シーンはかなりグロテスクなので注意が必要です。
「怖いのは無理だけどグロいのは大丈夫」という方にはぜひとも見ていただきたい作品です!
それは、ずっとついてくる【イット・フォローズ】
それは、自分にしか見えない。
それは、ゆっくりと歩いてくる。
それは、他人にうつすことができる。
ある男と一夜を共にしたことでそれが見えるようになった19歳のジェイ。
彼女は、友人たちと共にそれを回避する方法を考えるのであった。
本作の魅力は、ゆっくりと、でも確実に近づいてくるそれの恐怖です。
何気ない会話シーンの背景にこちらに向かってまっすぐ歩いてくる人影に気づいたときにはぞっとしました……。
登場人物も誰も気づいていない、映画を見ている自分だけが知っている恐怖。
気付いて……。早く逃げて……。
ビックリ要素がないのはうれしいですね。
また、本作には、ジェイが友人たちと協力してそれに立ち向かう青春ものの側面もあります。
怖いだけでなくティーンエイジャーの友情と切ない恋愛も楽しむことができるのもおすすめポイントです。
それほど怖くない初心者向けホラー映画【邦画編】
こんなのアリ?画面いっぱいのわんちゃん🐶【犬鳴村 恐怖回避ばーじょん】
ある時を境に、霊感のある臨床心理士・森口奏の周りで次々と奇妙な現象が起こり始める。
「本当のママに怒られる」と不可解な言動を繰り返す少年、奇妙なわらべ歌を口ずさむ女性、突如失踪した兄弟、次々と見つかる変死体……。
これらの奇妙な現象は、すべて地図から消された村・犬鳴村に繋がっていた。
森口と周囲の人々は、次々と犬鳴村事件に巻き込まれていくのであった。
……という映画を編集の力で極限まで怖くなくしてみた!
こちらは、福岡県に実在する最恐の心霊スポット「旧犬鳴トンネル」と、その先にあると言われている地図から消された村「犬鳴村」の都市伝説をベースにした作品です。
そして、監督は呪怨シリーズの清水祟。
「怖そうじゃねーか、ふざけんな!」と思った方、安心してください。
この作品、なんと公式による「怖くないバージョン」があるんです!
画面を駆けまわるかわいいわんちゃん、怖い部分はいらすとや、急に始まる格闘ゲーム、気の抜ける効果音……。
狂った編集に笑いながら見ることができます!
たま~に怖い部分を隠しきれていないのはご愛嬌ということで……。
あれが、来る。スーパー除霊エンターテイメント【来る】
悪い子のところには、「あれ」が来るらしい。
全く育児を手伝わないのに嘘のイクメンブログを書く新婚の男・田原秀樹は「あれ」に狙われてしまう。
秀樹の知人の野崎は、オカルトライターのツテを使って様々な霊能力者に除霊を依頼します。
そんな中声がかかったキャバ嬢霊能力者の真琴と、その姉である日本最強の霊媒師の琴子は、日本中の霊媒師を総動員して「あれ」を除霊します。
日本中の霊媒師のプライドをかけた壮大な除霊バトルが、今始まる……!
本作の魅力は、かっこよすぎる霊媒師軍団と豪華なキャストです。
日本最強の霊媒師、キャバ嬢霊媒師の姉妹をはじめとした霊媒師軍団は、全員キャラが立っていて、とにかくかっこよすぎます!
ちなみに僕の推しキャラは、柴田理恵さん演じるタレント霊媒師・逢坂セツ子です。威厳のある感じがとにかくシブすぎます……。
特に中盤以降の展開はアクション映画顔負けの盛り上がりで、本作はホラー映画の皮をかぶった超エンタメ作品であると言えます!
豪華キャストも見どころのひとつで、妻夫木聡さん、松たか子さん、小松菜奈さん、黒木華さん、岡田准一さんなどなど、日本を代表する豪華俳優陣が出演しています!
序盤は少しだけ怖い雰囲気が漂っていますが、「あれ」の姿が映ることはないので安心してください!
そしてなにより、中盤以降のかっこよさで怖さなんて吹っ飛びますよ!
最強霊能力者・ネオ様が強すぎるっ!【カルト】
ある心霊番組で怪奇現象に襲われる家のリポートを担当することになったあびる優さん・岩佐真悠子さん・入来茉里さんの3人。
同行した霊能力者・雲水は除霊を始めるが、想定外の怪異の強さに失敗。
事態を重く見た雲水は師匠の龍玄を招集する。
龍玄の力により除霊は成功したかと思われた。
「あれは人間が触れちゃいけないもんだったんです」
そして呼び出されたのは、金髪センターパート、態度最悪の最強霊能力者・ネオ。
かくして、ネオ様と最強の怪異のバトルが始まる……!
『カルト』は、ドキュメンタリーに見せかけた「モキュメンタリ―(フェイクドキュメンタリー)」と呼ばれるジャンルの映画です。
本作の魅力は、思わず笑ってしまうようなB級感と、三浦涼介さん演じる最強の霊能力者・ネオ様です!
あふれ出す低予算感、雲水・龍玄の胡散臭さなど、ツッコミどころが満載で正直あまり怖くありません。
雲水の除霊シーンは、一部界隈では熱狂的な人気を誇る名シーンです。
「スーッ……セイッ!スーッ……セイッ!」
序盤でリタイアしてしまいたくなるかと思いますが、ネオ様が登場する中盤以降は面白さが加速していきます。
「ホラー映画を見ているはずが、気付いたらヒーローものになっている」という奇妙な体験をすることができますよ。
テンションとしては、平成仮面ライダーのそれに近い感じです。
愛すべきB級ホラー映画です!
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日本ホラー界の2大ヒロイン(?)が夢の共演!【貞子 vs 伽椰子】
「見ると2日後に電話がかかってきて死ぬ」という呪いのビデオを見てしまった女子大生と、「入ると必ず死ぬ」という呪いの家に入ってしまった女子大生。
「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」
2人を救うため、霊能力者の常盤経蔵は、それぞれの呪いの元凶である貞子と伽椰子を衝突させて打ち消すという秘策に出る!
本作は、『リング』シリーズの貞子、『呪怨』シリーズの伽椰子という日本ホラー映画界の2大ヒロインのクロスオーバー作品です。
本作の魅力は、胡散臭い霊媒師と、貞子と伽椰子のバトル展開です。
また、ぶっ飛んだ展開でありながら、両作品の設定は忠実に守られているのも好印象です。
中盤まではしっかりホラーしていて、この記事で紹介している映画の中でもかなり怖い部類になっています。
行き過ぎたホラーをギャグとして捉えられる方ではないと怖く感じてしまうかもしれません。
胡散臭い霊媒師の「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ」作戦以降はお互いの領域に入り込まれた貞子と伽椰子のバトル要素が強くなっていきます。
衝撃の結末には恐怖を通り越して笑いすら込み上げてきてしまいます……。
怖いのが苦手でも、友達と集まってツッコミを入れながらワイワイ見るのにおすすめの作品です!
U-NEXT
ふざけてる……のか?事故物件に住んでみた【事故物件 怖い間取り】
テレビの企画で事故物件に住むことになった売れない芸人・山野ヤマメ。
早速事故物件に住み始めて怪奇現象をカメラに収めたところ、番組は大盛り上がりだった。
知名度を上げるため、次々と事故物件に移り住んでいく。
事故物件住みます芸人・松原タニシさんの実話をもとに作られたのがこちらの作品。
本作の魅力は、ギャグに片足を突っ込んだ展開です。
また、次々と事故物件を移り住んでいくオムニバス的な作品でもありますので、休憩しながら見ることができるのもおすすめポイント。
霊が出すぎて人口密度がエグいことになるアパート、冷蔵庫から出てくる幽霊など、ギャグとホラーのバランス感がちょうどいいので、怖いのが苦手な方でも適度にリラックスしながら見ることができると思います。
ラストは完全にギャグに振り切っていて、ハリーポッターみたいになってしまっています。
笑いあり、ラブロマンスありのホラー映画入門にぴったりの作品です。
作中のどこかに、演出ではない謎の声が入ってしまっているらしいのは、また別のお話……。
それほど怖くないホラー映画【韓国・台湾編】
貧困層の家族が、富裕層の家族にお邪魔します【パラサイト 半地下の家族】
貧困層が暮らす「半地下住宅」で暮らす4人家族・キム一家。
ある日、長男ギウは、友人のミニョクに、「彼の留学中に家庭教師のアルバイトを代わってほしい」という提案を受ける。
ギウは、高台の上にある豪邸に住むパク一家の娘の家庭教師をすることに。
家庭教師の実績でパク一家の信頼を得たギウは、あの手この手を使って、家族をパク家の使用人として呼び入れていく。
順調に進んでいるかのように思われた「寄生作戦」であったが、パク家を訪れたある人物によって大きく歯車が狂っていく……。
本作の魅力は、予想もつかないような衝撃の展開の数々です。
前半は、キム家のやり取りもパク家に潜り込んでいく過程も、ブラックながら非常にコミカルに描かれています。
ハラハラする展開はありながらも、怖くはありません。
ただ、物語中盤、恐ろしい事実が発覚してからは、様々なジャンルを横断したジェットコースターのような展開が待っています。
でも、怖いのが苦手な方はこれくらいから見始めていくのがちょうどいいのかもしれませんね。
また、本作はコミカルでありながら、格差問題について描かれた作品でもあります。
あまりにも残酷でやりきれない思いにさせられるラストも見どころです。
ゾンビだらけの新幹線を生き残れ!【新感染 ファイナル・エクスプレス】
妻と別居中のソグと一人娘のスアンは、妻に会いに行くためにプサン行きの高速鉄道に乗り込む。
列車内には、高校生カップルやガタイのいい男性と妊娠中の彼の妻など、多くの人がいた。
そんな中、乗務員は床に倒れて痙攣する乗客を見つける。
介抱しようとしたその時、乗客は突然乗務員に嚙みつく。
列車内の人々のゾンビ化はどんどん広がっていく。
プサン到着まで、あと2時間。
ホラーと言えば、やっぱりゾンビですよね。
本作の魅力は、泥臭いアクションと感動的な人間ドラマです。
時には戦い、時には籠城し、時には逃げ回り……。
濁流のように押し寄せるゾンビとの、列車内の環境を活かしたスリリングな攻防を楽しむことができます。
列車内で銃など強い武器はないのですが、バットや拳での泥臭い肉弾戦に気分が昂ります……!
また、ゾンビだらけの環境での人間ドラマも見どころです。
誰を信じ、誰を疑うのか。誰と協力し、誰を見捨てるのか。
物語序盤は、主人公のソグ含め嫌な奴が多いのですが、様々なピンチを共に切り抜け、別れを繰り返していく中で価値観が変化していく過程も見どころです。
彼らが、時には自らの命もなげうって戦うのには涙が止まりません。
また、緊迫する状況の中で自分だけでも生き残ってやろうと考える人間の醜さを垣間見ることもできますよ。
韓国映画って嫌な奴の解像度が異常に高いので、イライラしたい人にもオススメです。
ゾンビの見た目や動きが少し怖いかもしれませんが、グロテスクなシーンはゾンビものにしては少なめです。
ちなみに、本作のゾンビは動きが速いタイプのやつです。
怪物よりも怪物な生き物、人間【怪怪怪怪物!】
ある廃墟のような古いアパートに、怪物の姉妹が住んでいる。
醜い容姿の彼女たちは、たまに通りかかる人間を捕食してはひっそりと暮らしていた。
高校生のリンは学級費を盗んだ犯人として濡れ衣を着せられ、クラス中から非難されていた。
真犯人はいじめっ子のドアンを中心としたグループ。
学校は罰として、リンとドアンのグループに独居老人が住むアパートでのボランティアを命じる。
金目の物を盗むために夜のアパートに忍び込むドアン達とそれに同行させられるリン。
実は、そのアパートは怪物たちが潜むアパートだった。
たまたま小さいほうの怪物を捕獲することに成功した彼らは、学校の使われていない部屋に怪物を監禁する。
ドアンたちによる、あまりにも残酷な怪物への「実験」が始まった。
普通なら怪物が人間を襲っていくホラー映画ですが、本作の被害者はなんと怪物側。
本作の見どころは、いじめっ子グループの子供ゆえの残酷さです。
監禁している怪物への拷問は、思わず目を背けたくなるほどのむごさです。
歯を抜いたり、血を抜いたりされる怪物は、涙を流しています。
「人間じゃないから何でもできる」というドアンですが、いったい本当の怪物はどちらなのでしょうか?
子どもって、無意味に虫を殺したり、戦わせたり、平気で残酷なことをしてしまいますよね。
最初は怪物の見た目から怖いと感じてしまいますが、それは最初のうちだけで、すぐに怪物側に感情移入することになりますよ。
子ども、人間の吐き気を催すほどの残虐性を見ることができる作品です。
怖さはあまりありませんが、拷問シーンは非常に痛々しく、血の量も多めな作品なので、苦手な方は注意が必要です。
複数人で見るのも怖さ軽減のポイント
以上、初心者向けのあまり怖くないホラー映画をご紹介しました。
怖いのが苦手な方でも楽しめる、ちょうどいい怖さの作品をピックアップしたつもりですが、見られそうな映画は見つけられましたか?
それでもどうしても勇気が出ないという方は、友達などを集めて、複数人でツッコみながら見るのがおすすめです!
というのも、ホラー映画って結構詰めが甘い部分も多く、冷静に考えたらおかしいぞ?となることも多いです。
また、所詮はフィクション、画面の外は安全圏!と割り切って見るのもおすすめです。
(たまにこちらを呪ってくるタイプのホラー映画もありますが……。)
この記事をきっかけにホラー映画が楽しめるようになればと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!